本多劇場の楽屋にて思うこと…
配役され台本を受け取り、一読。
ニ読、さらに熟読して、物語の世界観、役の人物像等を掴みます。
家庭菜園で言うなれば、土作りですね。
古い根や株を取り除き、ミミズや堆肥を入れて
寝かせた土を振るいに掛けて鉢に入れます。
顔合わせ、読み合わせ。
作家の意図や演出家の方針、
共演者のお芝居と照らし合わせながら、
自分の役の方向性を決めて行きます。
ま、家庭菜園で言うところの種蒔き、苗の植え替えでしょうか。
この鉢には何と何を植えよう、
この苗にはこれを一緒に植えれば相性がいい、虫が付きにくい等、
育ち方や実の付き方を想像しながら植えていきます。
本格的な立ち稽古。
活字の羅列でしか無かった戯曲を、血の通った人間達の
喜怒哀楽へと立体化していきます。
この時、イメージしていた素晴らしい演技プランが
机上の空論であった事を嫌っていうほど思い知らされる訳です。
よく考えてみればそんな風に動ける筈も無かった…、
そもそも場面の解釈からしてズレていた…、
この台詞、いっつも噛む…、等など。
根付いたと思った苗が突然枯れたり、
強風に煽られて倒れたり、
緑のチミチミした集団に襲われたり…、
この時期、苗の管理も大変です。
何度も稽古を重ね……
これは水やり、
話し合いや修正を繰り返し……
これは添え木をしたり万遍なく陽が当たる様に鉢を回す事かな。
余計な芝居を排除し、分かり易くシンプルに、
しかし、必要と思えば大胆に芝居を膨らます。
ここで注意すべきは必要な芝居まで削らない事、
訳わかんなくなっちゃいますから。
家庭菜園に例えると、枝の剪定や害虫の駆除ですね。
ここで注意すべきは捕まえて来るのはてんとう虫に限る事、
でんでん虫や子猫を捕まえて来ると
訳わかんなくなっちゃいますから。
こうしてようやく芝居にも苗にも小さな蕾が出来る訳です。
ベランダのミニトマトと青唐辛子、可愛い実を付けました。
収穫が楽しみです♪
間もなく初日を迎える今公演、
ご来場頂いた皆さんが味わうのは甘くてジューシーなトマト味か、
はたまた宇宙と交信するほどの激辛か……。
ムフフフ…、オラ知らねぇ〜っと♪