湿原号のSL

 

といえば、C-11(*1)ですが、171号機(*2)ばかりが表に出て来ます。

湿原号は2台で運用しているのですが、絵葉書やポスターになるのも
ほとんどが171、ピンバッジやチョロQになるのも171号機です。
僕らの時は207号機が牽引したのですが、どうもこの子は二番機というか
セカンドドライバー的(*3)なポジションに思えます。
シーズン最初の頃、川湯温泉まで重連(*4)で走ることがあるのですが、
この時も171が先頭で207は後ろ。

何故か?

詳しい事は知りませんが、多分こんな感じ。
元々171号機は“SLすずらん号”の為に復活したのですが、
その後“湿原号”として釧網線に凱旋。
それまでは標茶町の児童公園で静態保存(*5)されていた
機関車でして、いわば地元のヒーロー。

ならば湿原号の顔、看板機関車になるのは当然でしょうな。

それともう一つ、もう一台の207号機にはちょっとした特徴がありまして、
写真をご覧になると分かると思いますが、ヘッドライトが二つあるんですな。

これ珍しくない?

霧の濃い地域を走る為に最初から二つ装備した様です。
僕らがお世話になったSLですし見慣れると可愛い顔なのですが、
やはりシングルライトの方が一般受けするのではなかろうかと…、
これは私見による全くの邪推です。

ちなみにどちらも北海道のみで活躍したんだとか。

同じ形式でも製造時期やその時のニーズによって
微妙に違う機関車が造られます。
また、製造過程に於いて職人の技術に頼る部分が多いのでしょうか、
完成した機関車一台一台に個性があり、操作感覚もそれぞれに異なる様です。
その機関車に合った操作によってスムーズな発進なブレーキング、
最高馬力などを引き出す訳で、その辺が機関士の腕の見せ所。
彼らのこだわりが乗り心地を左右する訳ですな。
      

SLはまさに生き物です。
      
      


じゃ、今日はこの辺で♪
      
      
      
      
      
      


*1
Cというのは駆動輪の数を表す記号、自力で回る車輪の事です。
左右3対あるからABCのCって訳。ですからデゴイチ(D-51)は
横から見ると四つあります。

*2
171号機は171台目のC-11って事。この型は結構たくさん製造されました。
炭水車を別に連結するテンダー式の機関車(*6)と違って
タンク式のこの機関車は小型で小回りが利くのであちこちの路線で
重宝がられたのね。
私鉄からもオーダーが来たとか…。

*3
いわゆる二番手。

*4
急勾配を上る時や重たい貨物を牽引する時など、複数の機関車を連ねて
パワーアップします。湿原号では特にその必要はない様に思いますが
、ま、多分観光用でしょう。明らかに乗る人よりも見る人へのサービスですね。
171と207の勇ましい重連が見物です。ちなみにこの製造番号の差ですが、
171の方が1年先輩になります。
171は川崎製、207は日立製です。

*5
動く状態で保存されているものを動態保存、公園などに鎮座して
置物状態のものを静態保存といいます。
一度静態保存にされると走る機能を奪われ、危険の無い様に
あちこちの計器やレバーを固定されるので、それをまた走れる状態に
戻すのは大変な作業ですよ、
きっと。

*6
もうキリが無いから…。
      
      


Posted at 2009年03月6日 [金] 10:48 | カテゴリー:雑記 |