独占取材第二弾・平田広明、朗読を語る。
ーで?
平田・
いきなりかいっ!
例えば僕が昔のロンドンを思い浮かべて物語を読むとします。
お客様も同時にロンドンを浮かべるのですが、一人一人みんな違うんですよ。
行った事のある人や映画やドラマで知ってる人、本で読んでる人もいればほとんどロンドンを知らない人ももしかしたら居るかも知れない、昔のロンドンをね。
でもご自分の中に造り上げたロンドンはその人だけの本物のロンドンなんです。
僕が開ける病室の扉の色も重さも受けとる人によって様々。部屋には花瓶があるかも知れないし、絵画が掛かっているかも。
細かいニュアンスは自由に作って頂いて構わない。だからこそイメージを作りやすい読み方が必要になるでしょうけどね。
ビジュアルで限定される事が無いので『この時代にこんなデザインは無いよ』とか『想像していたのと違うなー』みたいな事が起こらない。
その分、言葉の責任は重くなります。
『この時代の人が「見れる、食べれる」とか、ら抜きで言うのかしら?』みたいなね。
情景は自由に想像して頂いて、物語の本筋だけを一緒に紡いでゆく、各々が作った世界で各々が観たい登場人物が共通の運命を辿る。思い思いの世界で同じ結末を味わう。これが舞台での朗読の醍醐味だと思います。
ー観る人の体験や願望で捉え方が変わる?
平田・
勿論それはビジュアルありきのお芝居でも言える事ですが、朗読劇の場合はより自由に広がるでしょうね。その分、観客の心に残る印象は強いと思います。
ーどんな朗読をしたいですか?
平田・
一方的に押し付ける様な読み方にならないのが当面の目標です。
枕元でお母さんが読んで聞かせる物語、子供が冒険の主人公になりつつ夢の世界に落ちてゆく、そんな朗読が出来たらいいですね。
ー聞きながら客席で寝て欲しいと?
平田・
バカっ!
ー朗読能の新作も発表されましたが。
平田・
こちらも楽しみです。【船弁慶】では色々と勉強させて頂きましたから。和楽器とのセッションも刺激的で今からワクワクします。音楽と言えば【THANATOS】も素晴らしかったですよね。
ーでは読者に一言。
平田・
どうぞ沢山の想像力を蓄えてお越し下さい。予習するも良し、まっさらな状態でご覧になるも良し。皆さんの想像次第で物語の世界は無限に広がります。是非僕たちと一緒に想像の世界で遊びましょう♪
ーありがとうございました。
平田・
ところでキミ誰?
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